記念日ではないけれど、記念日カテゴリに入るほど嬉しかった出来事。
夕方、”今日は僕が料理を作るよ”というメールが入っていた。
これは、とてもとてもとても珍しい事で、パソコンの前の私は思わず叫びに似た笑顔が出た。
彼は間もなくひと月程フランスに帰るから、今のうちに私を喜ばせようとしたのだろう、と思う。
帰宅した彼は、いつも何をおいて先にする事を後回しにして火の前にこもっている。
こっちに来ちゃダメ、と真面目に言う。
どのくらい経っただろうか。
『いつもボクのことをだいじにしてくれてありがとう
というための、いっしょうけんめいしたゴルゴンゾーラパスタです』
料理に添えられた言葉が、本当に温かくて、パスタも美味しかった。
毎日尽くしてくれたり、料理のできる恋人のほうが良い、と世の中は言うけれど
こういう瞬間があるから、むしろそんなのどうでもいいと思える。
『はあ~っ。大事にするって大変!』
紙に書き写してきたレシピが台所の壁にくっついてるよ。
チーズは無駄に高い、と言って私がいつも買わないから
レシートを隠しながら少しずつ見せて、『・・・大丈夫?』
感謝します。